母のお節介
1月の週末に実施した「おやき鍋の振る舞い」ですが、実はずっと母に鍋奉行をお願いしていました。
きのうの最終日も雪でヒマながらずっとストーブの前でお客様を待って2時間(ほんとは飽きて1時間半で帰られちゃったけど)時間を潰してくれていました。
そんな中、50代か60代とおぼしきひとりの女性のお客様が来店されました。わたしが2階から降りてくると、すでにお客様はお勘定を済ませて(母がレジをしてくれていた)帰られるところでした。
「あの~、おやき鍋召し上がっていかれませんか?」と言うと、
母がすかさず「ダメなんだって。バスの時間があるからお急ぎですって。」と言う。
お客様「そうなんですよ。残念ですけど。」と言って帰られた。
それからしばらく、また母をひとりにして2階で仕込み。
30分ほどして降りていくと、母が「今ねぇ、バス停までおやき鍋を配達してきたんだよ。」ってニコニコしながら報告。
「何、それ?」
「だって、あのお客様が乗るって言っていたバスはいつも10分ぐらい遅れるからさ、待ってる間に食べられるだろうと思って。でね、持っていったら寒そうにしてて、『え~っ、いいんですか?ありがとうございます。』って言ってくれたよ。空いた器は後で取りにくるから風で飛ばないように、雪を入れて置いておいてくださいって言ってきた。きっと温まったね、あの人。」
何もそこまでしなくても、って思います、普通は。
でも、これが母のお節介なのです。
そして娘のわたしは、そういう母のお節介が好き。
人情が薄れている現代に、こんなおばあちゃんがもう少しいてくれたらなあって、つくづく思ったきのうでした。
「おやき」は信州のスローフードです。
「ふきっ子のお八起」HP→http://www.fukikko-oyaki.com/
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