遠くなる耳
このところ母はめっきり耳が遠くなった。
先日も帰宅して荷物を降ろしながら「きょうねぇ、〇〇さんがお店に見えて、お母さんによろしくって言ってたよ」と言うと、台所で野菜を切っていた母が振り向いて「何だって?」と言う。
3メートルほど離れていたけれど、母と正面向い合せでもう一度「〇〇さんがよろしくって!」と言った。
すると母が「もう一度言って!」と言うので、ビックリ
1メートルほどに近づいて
「〇〇さんがよろしくって!」 と言うと、
ようやく「ふ~ん、お店に来たんかい!」って、母。
だから最初から言ってるのに~
今朝は今朝で、階下から「ネギがないよ~!」と叫んでいるので、
「冷蔵庫の中にあるよ!」と大きな声で返したら、
「何言ってるか聞こえない!」
もう一度大きな声で言ってみたけど、
「
聞こえないって言ってるだろ」と、母がキレた
朝食の時に、母がボソッと
「耳が聞こえなくなってくると、回りから疎外されちゃうね」と言うので、「何で?」と聞くと、
「川柳のグループでも2,3人耳が遠い人がいてね。何回も聞き直せないから、だんだんポツンと寂しそうにひとりでいるようになってさ」と言う。
途端にハッと気づいた。
日々遠くなっていく耳に、母は少しづつ恐怖心を増幅させているのだ。
きょうから母との距離を数歩縮めて会話をしなくては、と肝に銘じた朝でした。
「おやき」は「信州のスローフードです。
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