遠くなる耳

おやき

2014年10月03日 06:06


このところ母はめっきり耳が遠くなった。

先日も帰宅して荷物を降ろしながら「きょうねぇ、〇〇さんがお店に見えて、お母さんによろしくって言ってたよ」と言うと、台所で野菜を切っていた母が振り向いて「何だって?」と言う。

3メートルほど離れていたけれど、母と正面向い合せでもう一度「〇〇さんがよろしくって!」と言った。

すると母が「もう一度言って!」と言うので、ビックリ

1メートルほどに近づいて「〇〇さんがよろしくって!」 と言うと、

ようやく「ふ~ん、お店に来たんかい!」って、母。

だから最初から言ってるのに~

今朝は今朝で、階下から「ネギがないよ~!」と叫んでいるので、

「冷蔵庫の中にあるよ!」と大きな声で返したら、

「何言ってるか聞こえない!」

もう一度大きな声で言ってみたけど、

聞こえないって言ってるだろ」と、母がキレた

朝食の時に、母がボソッと

「耳が聞こえなくなってくると、回りから疎外されちゃうね」と言うので、「何で?」と聞くと、

「川柳のグループでも2,3人耳が遠い人がいてね。何回も聞き直せないから、だんだんポツンと寂しそうにひとりでいるようになってさ」と言う。

途端にハッと気づいた。

日々遠くなっていく耳に、母は少しづつ恐怖心を増幅させているのだ。

きょうから母との距離を数歩縮めて会話をしなくては、と肝に銘じた朝でした。


「おやき」は「信州のスローフードです。
「ふきっ子のお八起」HP→http://www.fukikko-oyaki.com/

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