母の別世界
1週間前に、左目の白内障手術をした母。
翌日、眼帯が取れて「世の中、ハッキリクッキリ~♪」と喜んでいた母ですが、2,3日経つと様子が違ってきました。
「鏡がやけに汚れてるんだね。今まで気づかなかっただけか。。。」
「床のごみが気になるね。こんなにホコリだらけの部屋だったんだね。。。」
世の中がクリアになると、見なくていいものまで見えて気になってきたようです。
すかさず私は「気になるなら、どんどんお掃除していただいて構いませんけど」と、すまし顔を決め込んでます
そして、きのうあたりから目の奥の痛みも薄らいできたそうで、車の運転もおそるおそる始めて「標識もよ~く見えるようになった」と喜んでいたと思ったら、夕食時のこと、
「ねえねえ、わたしってこんなに汚い顔だったっけ?」と真顔でわたしに聞くのです。
「何、それ?」
「だってね、鏡を見るとシミばっかりで、こんな顔で化粧もしないで飛び回っていたのかと思ったら、恥ずかしくて恥ずかしくて」と母。
「今さら何を言ってるの?急にシミが増えたわけでもあるまいし。お母さんの顔は全然変わってませんよ」
「あ~あ、ほんとに恥ずかしい。こんなに汚い顔になっていたなんて。これから化粧して出掛けなくちゃ」
「今さら化粧したって、お母さんの素顔はみんなよ~く知ってるんだから意味ないわ。知らぬは我が身ばかり」
最初は輝いていた別世界が、少しづつダークな現実に引き戻されてきたようです。
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