母の別世界

おやき

2014年12月16日 06:06


1週間前に、左目の白内障手術をした母。

翌日、眼帯が取れて「世の中、ハッキリクッキリ~♪」と喜んでいた母ですが、2,3日経つと様子が違ってきました。

「鏡がやけに汚れてるんだね。今まで気づかなかっただけか。。。」

「床のごみが気になるね。こんなにホコリだらけの部屋だったんだね。。。」

世の中がクリアになると、見なくていいものまで見えて気になってきたようです。

すかさず私は「気になるなら、どんどんお掃除していただいて構いませんけど」と、すまし顔を決め込んでます

そして、きのうあたりから目の奥の痛みも薄らいできたそうで、車の運転もおそるおそる始めて「標識もよ~く見えるようになった」と喜んでいたと思ったら、夕食時のこと、

「ねえねえ、わたしってこんなに汚い顔だったっけ?」と真顔でわたしに聞くのです。

「何、それ?」

「だってね、鏡を見るとシミばっかりで、こんな顔で化粧もしないで飛び回っていたのかと思ったら、恥ずかしくて恥ずかしくて」と母。

「今さら何を言ってるの?急にシミが増えたわけでもあるまいし。お母さんの顔は全然変わってませんよ」

「あ~あ、ほんとに恥ずかしい。こんなに汚い顔になっていたなんて。これから化粧して出掛けなくちゃ」

「今さら化粧したって、お母さんの素顔はみんなよ~く知ってるんだから意味ないわ。知らぬは我が身ばかり」

最初は輝いていた別世界が、少しづつダークな現実に引き戻されてきたようです。

「おやき」は信州のスローフードです。
「ふきっ子おやき」HP→http://www.fukikko-oyaki.com/

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