4月のおやき

おやき

2015年04月13日 06:09


ギックリ腰(お蔭様で今朝はだいぶよくなりました!)だの、東京行きだのと脱線話ばかりが先行して、肝心の今月のおやきのご紹介が今頃。。。すみません。

今月のおやき2種は「御開帳記念」と題して、オリジナルの新メニューです。5月末までの限定おやきおやきですので、ぜひこの機会にご賞味いただけたらと思います。




「春カレーおやき」 ¥150




チベットに縁のあるお寺から、善光寺御開帳に合わせてチベット風のオリジナルおやきを作って欲しいと依頼があったのが半年前。『チベット風ってどんな味?』ということで、チベットの食をいろいろ調べてみました。

「チベットは地理的に高地のため、食材は豊富ではなく、料理の種類や味付けも限られる」とのことでしたが、そんな中で目を引いたのが「モモ」でした。モモは「小麦粉をこねて薄く伸ばした皮で、野菜やヤク(チベットに生息する牛類の動物)の肉などの具を巾着状に包み、加熱した料理」で、日常食というよりは晴れの料理として食べられており、種類や形がとても豊富。まさしく「チベットのおやき」です。

そんなモモをイメージして野菜も香辛料もシンプルに作り上げたのが、モモ風おやきでした。しかし、そもそも発案のきっかけとなったお寺からのリクエストがとん挫してしまい、このおやきは「幻のおやき」になってしまいました。

が! せっかく作り上げたおやきをどこかでお披露目したいと思うのは、製作者として当然のことですよね。ですから、善光寺の御開帳に合わせて4月、5月限定のオリジナルおやきとして弊店で販売をすることに決めました。

使う食材は非常にシンプル。野菜はじゃがいもをベースに玉ねぎ、セロリ、トマトの4種。それをおいしく味付けしてくれる香辛料はターメリックとクミンだけ。隠し味は何と「自家製りんごバター」です。これだけの食材でカレーが作れるなんて、わたし自身もビックリ。名前も、その優しい味わいから「春カレーおやき」。カレーだけど、カレーじゃない、不思議なおやきの完成です!


「くるみ茶の子」 ¥160




長野県北安曇郡小谷村。雪が多くお米が貴重で麦作も適さなかった昔、日常食として食べられていたのは「ちゃのこ」でした。蕎麦粉とカサ増しの馬鈴薯が入った生地に、塩漬けの野沢菜が具。ゴロゴロ入った馬鈴薯が喉に詰まり、塩しょっぱい野沢菜で喉が乾き、昔食べていた村の人にとっては決しておいしいものではなかったそうです。時代とともに農業技術も発達し、小谷村でも米が収穫できるようになってくると、急速にちゃのこは食卓から姿を消していきます。昭和30年代前半にはちゃのこは全く作られなくなってしまいました。

現在では地元女性会のメンバーにより復活しているちゃのこですが、この「ちゃのこ」を取材させていただいた時に『このちゃのこも大切に伝えていかなくてはいけない!』と心ひそかに思いを強くしました。そして、3月のおやき教室の時に、自分流にアレンジしたちゃのこを生徒さんたちに作ってもらったら、

「おいしい!」を連発され、「絶対にお店で販売してください!」と懇願されてしまいました。使っている食材が「蕎麦粉」「くるみ」「味噌」と、長野県の特産品オンパレード。これは善光寺御開帳に合わせて販売するしかない!と思い立ちました。

生地は、じゃが芋を軟らかく茹でたところへ蕎麦粉を投入、冷めたところで小麦粉を入れてさらに練る。餡は、白餡に信州味噌と白ごまを入れてコクを出し、最後に粗みじんにしたクルミを混ぜ合わせる。これを包み終わったら蒸かして、さらに焼き目をつける。これだけ手間のかかったおやき(ちゃのこ)は、まず商業的には採算が取れません。

が、おいしいものはお客様にも食べていただきたい!その思いで2カ月がんばります!!


ということで、4月の季節おやき2種、よろしくお願いいたしますm(__)m


「おやき」は信州のスローフードです。
「ふきっ子おやき」HP→http://www.fukikko-oyaki.com/

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