おやきを食す日-後編

おやき

2009年12月18日 06:06


今、妹から電話が来て「うっすらと雪が積もってるよ」というので、慌てて外を見てみると雪がなくてホッ
きのう、あれだけ戦々恐々と雪の中運転していったのに、まだ履き替えてないのです 

とりあえず朝の雪の心配はなくなったので、安心してブログ書き~。

さて、7月31日の次は、8月1日の「盂蘭盆(もしくは石の戸)おやき」

善光寺では信者が前日7月31日から8月1日にかけてお篭り祈願しますが、それ以外の地域では8月1日に「お墓そうじ」をしてご先祖様を迎えます。

金子万平著作からまたまた抜粋です。

「旧暦7月1日は釜蓋朔日(かまぶたついたち)といい、地獄の釜の蓋も開く日だという。この日、土に耳をあてると地獄の戸が開く音や精霊の声が聞こえるといわれる。この地方ではこの日を「石の戸」「盂蘭盆」といっている。朝やき餅(おやき)を焼いて仏壇に供えるが、このやき餅で精霊が石の戸を打ち破って出てくるため、この日のやき餅は特別に固く焼くのだという。やき餅は多くは茄子餡で、昔はこの石の戸の日が茄子の初物採りの日であった。」(篠ノ井の年中行事)より

8月1日をお盆の始まりとするのと同時に、ご先祖が「あの世」から出発する日だというので、そのためにやき餅(おやき)を仏壇に供えるという話も聞く。1日のほか、12日の盆花とり(山から迎えるの意)や、13日の迎え火、16日の送り火。この日にもおやきを作る

8月1日を盂蘭盆(ウラボン)とするのは、古くから全国にあった。これは半年ずれた、1月1日と対応するものであろう。


今でも8月1日にお墓そうじに行かれるお家が結構ありますが、固いおやきを持参しているかは不明です
ただ、この日におやきを作ってご先祖様に備える風習は伝えていきたいですね。

8月14日「お盆おやき」

この日は実はおやき屋にとって一年で一番忙しい日です。出来れば「おやきを食す日」から外したいぐらいに忙しいのですが、それでもこの日を入れずして、いつを入れる、というほど重要な日。外すわけにはいきません。

前述の金子万平さんの本にもサラッとしか書かれていません。
「・・・お盆に入って14日のおやきは、きのぶりの粉のおやきで、あんこはあずきやなす・ふろうなどを入れたうまいおやきであった・・・」

お盆の14日と16日にはおやきを食べる習慣は今でもしっかりと定着していますが、世代をつないで伝えていって欲しい食習慣です。

秋彼岸は春彼岸と併せてしまったので、11月23日の「新嘗(にいなめ)おやき」ですね。

この日は特に習慣として残っている日ではありません。「・・・11月には「くわあげ」(麦巻きの終わり)、「かまあげ」(稲刈りの終わり)、「ねこたたき」(ねこじまい)などそれぞれおやきを作って祝った」とあるように、農作業の終わりのたびにおやきが作られていた歴史から、11月23日を収穫祝い(新嘗)の日とし、おやきを食す日に制定したのです。

以上、長々と説明してまいりましたが、「おやきを食す日」来年からスタートです!

「習慣の復活」よろしくお願いいたします。


「おやき」は信州のスローフードです。
「ふきっ子のお八起」HP→http://www.fukikko-oyaki.com/

関連記事