丸なすと切干大根

おやき

2010年03月04日 05:56


「ふきっ子のお八起」では、今冬「丸なす」と「切干大根」のおやきはお作りしておりません。

なぜかと言うと、丸なすも切干も入手困難な上に、高値で手が出ないのです。

丸なすは、南の熊本、宮崎、高知といった産地で冬場は温室栽培されています。それが原油高騰の煽りを受けて、ハウスを止めてしまったり、より市場性のある野菜(丸なすより長なす、というような)に転化し始め、丸なすの生産農家さんが一気に減少した、ということが原因の品薄、高値。

    

切干大根も一大産地である宮崎県がここ数年大根が不作で品薄状態だったところへ、中国の偽装問題が浮上し、国産信奉に拍車がかかり値が高騰。2年前は1kg¥700前後だったものが、現在は1kg¥2,000です。

という事情もあって、今冬は「旅物野菜」を極力使わない商品構成で来ました。

でも、当たり前ですが丸なすや切干大根は、おやきとは切っても切り離せない食材。お客様のご要望もたくさんいただきます。

その都度割り切れない思いを抱きつつ、スーパーで高い食材を調達する日々。

大手のおやき屋さんでは冬場は丸なすを作りません。当然と言えば当然で、旅物野菜を使ってまで「信州おやき」を作る必要はないのです。

しかし地元のお客様を大事にしていかなければ生き残れない小規模小売店では、丸なすは冬場でも欠かすことはできないのです、そして切干大根も。

今冬はそのせめぎ合う思いの中で、丸なすと切干大根を切り捨てたものの、ついスーパーへ走ってしまう自分。

地産地消がもてはやされる時代。でも、おやきに関しては名ばかりで、特に冬場は他産地消が現状。

「信州おやき」が純粋な「地産地消(他消も)」になる日が来ることを信じて、このジレンマと闘っていくことにします。

「おやき」は信州のスローフードです。
「ふきっ子のお八起」HP→http://www.fukikko-oyaki.com/

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