焼き
きのうの夕方、駅前店に2人のスーツ姿のビジネスマンがご来店。
ひとりが「これって今日中に食べないとダメですか?」と聞かれたので、「冷蔵庫に入れていただいて、明日電子レンジにかけていただければ、明日まで大丈夫です」と答えている間じゅう、もうひとりの男性は並んでいるおやきを隅から隅までチェック。
そして質問をした男性にヒソヒソ声で「これは違う」と言い、わたしには「すみませんねぇ」と出て行きがてら、また小声で「焼いてないんだよ。こいつは違うんだ」と相棒に言いながら姿を消した。
「焼き」
これが今、おやきの県外進出に一番のブレーキをかけている。
信州のおやきを知らない人が「おやき」という言葉から食べ物を連想する時、必ず「焼き」がついたイメージを持つのは当たり前。
ましてや、すでに県外進出をしている大手のおやきは「焼き目」がしっかりついている。
でも、わたしたちが日常見慣れているおやき、日ごろ買うおやきはほとんど焼き目がついていない。
「焼いてないおやき」が地元では主流なのに、県外では真逆。
昨夜のお客様も物産展などで「焼きおやき」に馴染みがあったから、うちのおやきを見て「違う」と感じたわけで、そのイメージを覆すのは容易ではない。
実際、焼いてないおやきが県外へ出て行くと「出来損ないですか?」と聞かれた業者さんがいた。
面と向かって説明できるお客様が相手なら理解していただくことは可能だけれど、卸売や委託販売では不可能な話だ。
「焼きを覆す」何かいい方策はないものかなあと毎日頭の片隅から離れない問題。
と言いながら、ふきっ子おやきは「焼き蒸かし」
しっかり焼いている。でも、油を使わず厚手の鉄板で表面を焼き固めるだけなので、焼き目はつかない。
「焼いてない」という以上に、説明が難しいおやきです
「おやき」は信州のスローフードです。
「ふきっ子のお八起」HP→http://www.fukikko-oyaki.com/
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