石の戸おやき

おやき

2011年07月28日 06:04


定休日を一日挟んでしまいましたが、おとといの「お籠りおやき(おこもりおやき)」に続いて、8月1日の「石の戸おやき」のご紹介です。

「お籠りおやき」が善光寺界隈の慣習なら、「石の戸おやき」は川中島・篠ノ井地域に多い慣習のようです。

8月1日をお盆の始まりとするのと同時に、ご先祖様が「あの世」から出発する日だというので、そのために「おやき(焼餅)」を仏壇に供える。精霊は地獄の釜の蓋「石の戸」を破って出てくる。それで固い焼餅を作って供える。その焼餅をぶつけて石の戸を破る、というわけである。(金子万平著作より)

「旧暦7月1日は釜蓋朔日(かまぶたついたち)といい、地獄の蓋もあく日だという。この日土に耳をあてると地獄の戸のあく音や精霊の叫ぶ声が聞こえるといわれる。この地方では月遅れの8月1日で、「石の戸」「ウラ盆」といっている。朝やき餅を焼いて仏壇に供えるが、この焼き餅で精霊が石の戸を打ち破って出てくるので、この日のやき餅は特別に固く焼くという。やき餅は多くは茄子餡で、昔は石の戸が茄子の初ものとりであった。」
(『篠ノ井の年中行事』から)


ご先祖様が固いおやきを持って石の戸にぶつけている様子を想像しながら、おやきを頬張ってみてください

「おやき」は信州のスローフードです。
「ふきっ子のお八起」HP→http://www.fukikko-oyaki.com/

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