センゾツキ

おやき

2008年12月09日 06:13

今も厨房で使っているのが、この「せんつき」です。

            

今や「万能カッター」なるものが手軽に買える時代ですが、ふきっ子のお八起ではこの「せんつき」が欠かせません。

手切りにこだわっているのに、「せんつき」使うの?って言われそうですが、この「せんつき」を使う理由もやはりこだわりがあるんです。

万能カッターや包丁を使うと、繊維がスパッと切れてしまいます。でも、このせんつきで野菜を突くと繊維を壊しながら切れていきます。この不揃いな野菜の断面から味が沁みこんでいくので、味が早く回り、ノッペリとした味付けになりません。

こう実感できたのは、実はつい最近のこと

もちろんわたしもぴあんさんと同様?にせん切りはキライ!それに、この「せんつき」も手を突きそう(過去何回も突いてますが)で最初は恐かった~。

でも今では「せんつき」の魅力に開眼してしまいました。

特にこの野沢菜かぶに「せんつき」は欠かせません。

          

野沢菜の原種と言われる「天王寺かぶ」。古くは野沢菜も大きなかぶが出来ることが特徴だったのですが、いつのまにかお菜が主流になって、かぶを食すことも少なくなってきてしまいました。

昔は、万能カッターもない時代にこのかぶをせん切りにするには「せんつき」が必需品でした。金子萬平さん著の「おやき・焼餅の話」によると、この「せんつき」は「センゾツキ」と呼ばれていたそうです。「センゾ」とは細かく刻むこと、大根を千六本に切ったもの、などの意味。

厨房で何気なく使っている道具たちにも歴史があり、それを知ることで愛着が生まれます。

「せんつき」これからも大切に使わせていただきます



こちらも→おやき屋店主の日掛け帳ー番外編 http://blog.livedoor.jp/fukikko2/


「ふきっ子のお八起」HP→http://www.fukikko-oyaki.com/


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