センゾツキ
今も厨房で使っているのが、この「せんつき」です。
今や「万能カッター」なるものが手軽に買える時代ですが、ふきっ子のお八起ではこの「せんつき」が欠かせません。
手切りにこだわっているのに、「せんつき」使うの?って言われそうですが、この「せんつき」を使う理由もやはりこだわりがあるんです。
万能カッターや包丁を使うと、繊維がスパッと切れてしまいます。でも、このせんつきで野菜を突くと繊維を壊しながら切れていきます。この不揃いな野菜の断面から味が沁みこんでいくので、味が早く回り、ノッペリとした味付けになりません。
こう実感できたのは、実はつい最近のこと
もちろんわたしもぴあんさんと同様?にせん切りはキライ!それに、この「せんつき」も手を突きそう(過去何回も突いてますが)で最初は恐かった~。
でも今では「せんつき」の魅力に開眼してしまいました。
特にこの野沢菜かぶに「せんつき」は欠かせません。
野沢菜の原種と言われる「天王寺かぶ」。古くは野沢菜も大きなかぶが出来ることが特徴だったのですが、いつのまにかお菜が主流になって、かぶを食すことも少なくなってきてしまいました。
昔は、万能カッターもない時代にこのかぶをせん切りにするには「せんつき」が必需品でした。金子萬平さん著の「おやき・焼餅の話」によると、この「せんつき」は「センゾツキ」と呼ばれていたそうです。「センゾ」とは細かく刻むこと、大根を千六本に切ったもの、などの意味。
厨房で何気なく使っている道具たちにも歴史があり、それを知ることで愛着が生まれます。
「せんつき」これからも大切に使わせていただきます
こちらも→おやき屋店主の日掛け帳ー番外編
http://blog.livedoor.jp/fukikko2/
「ふきっ子のお八起」HP→http://www.fukikko-oyaki.com/
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