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プロフィール
おやき
おやき
おやき屋2代目。小さい頃は食べ過ぎて好きじゃなかったおやき。でも「おやき屋」になったからには「美味しいおやきを作るぞ!!」との志は高く?でも石橋を叩くどころか、かる~く飛び越えて行っちゃう無鉄砲、お気軽、極楽トンボです!
こんな2代目が店主をつとめる信州おやき専門店【ふきっ子おやき】です!!
オーナーへメッセージ

2009年12月12日

孤老

2年前のある日、そのおばあちゃんから電話がありました。

「今、お宅のおやきをいただいたんだけど、とっても美味しかったの。袋の電話番号を見て電話したんだけど、わたしが電話でお願いすれば配達してもらえますか?」とのこと。

よほどの事情がない限り配達はできないことを伝えると「わたしは一人で住んでるもんで、いつもはヘルパーさんが買い物に行ってくれるんです。でも川中島近辺での買い物しかお願いできないから、お宅へは買いにいってもらえないの。わたしは足が悪いから外へは出られないし・・・」

それを聞いて「わたしが帰宅する時間でよろしかったら、帰りがけに配達しますよ」と返事をしていた。。。

それ以来、そのおばあちゃんにおやきをお届けするのが月一回の日課になって2年。

それが先月お届けしたら、お座敷の奥から「上がってきてちょうだい。ベッドから降りられなくて」と声がして、入っていくとベッドに寝ているおばあちゃんがいた。

「大丈夫?」

「足腰が弱ってきて、きょうは家の中を歩くにも1m歩くのがやっとで・・・」と言う。

元気出してね、と声を掛けて帰ってきたけど気になっていたところへ、おとといまたおばあちゃんから電話があった。

「ここ2,3日、何にも食べられなくて、お宅のおやきだったらひとくちだけでも食べられそうだから、配達してください」と。

慌ててお届けすると「入ってきて」とおばあちゃん。

ベッドに横たわったおばあちゃんはまた一回り小さくなって、ほんとに弱弱しい。

「食べられないって、ほんとに大丈夫?」

「すぐにおやき食べたいから、ひとつ開けてもらっていいかい」

おやきを手にしたおばあちゃん、口に持っていって歯で噛み切ろうとするけど、その力が出ない。

「包丁で切ってきてあげるね」と、8等分したおやきの一切れをおばあちゃんの口に入れてあげた。

「おいし~~!」声を絞るようにしながら一言。

こちらの方が涙が出てきた。

老いは切ない。ひとりで感じるのはもっと切ない。なんだか身につまされる思いで、おばあちゃんの家を後にした。

家に着いて、母にこの話をした。そして「お母さんは娘と一緒で、本当によかったね」と。

対する母。

「だから毎日、一生懸命あんたに尽くしてるでしょっ!」

ハイ!そうでした。。。face10


「おやき」は信州のスローフードです。
「ふきっ子のお八起」HP→http://www.fukikko-oyaki.com/


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Posted by おやき at 05:58│Comments(0)思いつくまま
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